おすすめの土壌分析会社の情報を一覧にしました!
いかがでしたか?ここまで、おすすめの土壌分析会社をご紹介してまいりましたが、情報を簡潔にまとめて一覧にしてみたので、おさらいしてみましょう。
適切な分析会社を選んで依頼すれば、スムーズに土壌の調査を進めることができます。土壌分析をした土地は、その土地の安全性が分かるうえ、安全でどんな土地か分かれば売却時にも大きなアピールポイントになるというメリットもあります。
ここからはなぜ土壌分析をする必要があるのか、自主調査と義務調査の違いなど基本的な情報も公開しています。おすすめの会社の情報とあわせてチェックしてみましょう。
土壌分析が必要なときはいつ?

個人の判断でおこなわれることも多い。しかし反対に土壌分析を必ずしなければならないケースもあります。
次の3つの条件のいずれかに該当しているとき、土壌汚染対策法に基づく土壌調査が必要になる可能性があります。
1.有害物質を取り扱っていた施設を廃止するとき
2.3,000㎡以上の土地の形質変更(掘削を含む形状を変更する行為全般)をするとき
3.土壌が汚染され、人体への悪影響を及ぼす可能性が高い土地
上記のようなケースは法律によって土壌の調査命令が出る場合があります。特に工場跡地やガソリンスタンド、クリーニング店舗など、特定の有害物質を使用している業種が営業していた土地などを中心に、実施されることが多いようです。
土壌分析といってもいくつか種類があり、1と3の条件のように土壌汚染が懸念されるときにおこなわれる土壌調査を「有害物質分析」、作物をつくるなどで適切な肥料を知りたいときは「肥料分析」と言います。
まずはどちらの分析が適しているのかを判断することが大切です。
自主調査と義務調査

土壌分析とは、化学性・物理性・生物性の3つの観点から土の状態を調べて数値化することです。調査の種類は2種類あります。一つは自主調査、もう一つは義務調査と呼ばれるものです。
言葉通りになりますが「自主調査」は、自主的に調査を依頼・実施するケースを指します。反対に、土壌分析をすることを行政から義務付けられるケースを「義務調査」と言います。
調査全体の割合でいうと義務調査は2割、自主調査は8割ほどとなっており、実際におこなわれる調査のほとんどが自主的な調査となります。
【自主調査】
ⅰ.作物の植付をするとき
本格的に作物を育てたいのなら、作物が育つのに向いている土かどうかを知っておくべきでしょう。作物が育ちやすい環境でなければ、せっかく畑を耕した苦労が水の泡になってしまうかもしれません。
そこで土の性質や成分を理解して対策をするために肥料分析をするというわけです。性質や成分など土の状態を正確に把握することで、適切な肥料選びが可能になり、生産量・出荷量アップが期待できます。
また、作物の植付をするときは肥料分析をおこなうケースが多いのですが、畑をつくって農作物を生産したいと考えたとき、土壌の安全性を知るのは当たり前と言えます。土地の安全性を確かめたいときは有害物質分析となります。
ⅱ.土地開発中に埋蔵物があったとき
新たに土地を開発しようとしたとき、地中に大きな石や開発の邪魔になるような人工物が埋まっている可能性もあります。実際に自宅の庭を調べてみると、埋まっていたプラスチック製のごみや空き缶などが大量に出てきたというケースも。
もし確認せずに開発を進めてしまったら、工事の妨げになるなど、あとでトラブルになることも考えられます。土地の開発をスムーズに進めるために土壌分析を実施する方も珍しくないようです。
また、埋蔵物の内容によっては有害物質分析として調査をおこなう必要があります。特に産業廃棄物などの有害そうなものが埋蔵されていた場合は有害物質分析が有効でしょう。
ⅲ.土地売買のとき
実は自主調査がおこなわれる主なきっかけが「土地売買」です。万一汚染が見つかったとしても売却は可能ですが、土壌汚染が確認されてしまうと土地価格が下がるだけではなく、風評被害を受けるリスクが高くなります。
そのため義務調査には該当せずとも、買主もしくは借主が有害物質分析を依頼するケースが増加しているようです。ただし、田畑にする目的の土地の売買の場合は、 肥料分析も関わる可能性があります。
ⅳ.土壌汚染が懸念されるとき
そもそもの土壌の安全性を確認しなければ安心して土地を開発したり、種を植えることすらできません。義務調査になるかどうかはケースバイケースですが、土壌汚染の有無を確認する場合は、「有害物質分析」が必要となります。
【義務調査】
ⅴ.行政から調査命令が出たとき
義務調査になるのは次のようなケースです。
①特定施設を廃止する(工場、ガソリンスタンドなど)
②一定以上の広さの土地の形質変更
①の場合は「特定施設の廃止届」を、②の場合は「土地の形質変更届」を、まずは管轄行政に提出することになります。届けを受け、土壌汚染のリスクが認められる場合において、調査命令の通知が来ます。
調査命令が出た場合、基本的には土壌汚染対策法に基づいて調査をすすめることになります。
ポン
- 土の状態を把握することで適切な肥料選びが可能になる
- 埋蔵物の内容によっては有害物質分析として調査を行う必要がある
- 自主調査がおこなわれる主なきっかけが土地売買
- 土壌汚染の有無を確認する場合は有害物質分析が必要
- 行政から調査命令がでたときは義務調査となる
ⅰの場合…肥料分析を依頼しよう

調査目的やその効果
肥料分析とは肥料分析法に基づき、カドミウムやクロムなどの有害な成分が入っていないかどうかや、肥料の主成分を分析して作物が育ちやすい状態かどうかを確認するものです。
肥料分析で土の安全性と成分を確かめることにより、作物が育ちやすい環境づくりに活かすことができます。調査結果をもとに適切な肥料を加えるなど土壌の改良をすれば収穫量の向上にもつながります。
調査依頼の流れや分析方法
①申し込み・依頼…肥料分析の調査を依頼する会社が決まったら、WEBや電話などで申し込みをおこないます。
②現場調査・採取…移植ゴテを利用して土壌サンプルを採取します。水稲なら500g程度の土を採取、露地や施設野菜の場合は株間の深さ15㎝程度の土を採取します。
③分析の準備…採取した土壌を約1週間ほど乾燥させ、乾燥させた土をふるいにかけて細かい土を集めます。
④土壌測定…③で集めた土壌を測定します。測定にはおよそ2~3週間ほど時間がかかります。
⑤結果の提出…分析の結果を報告書や証明書などの形式でまとめます。依頼した会社によっては分析結果を提出するだけではなく、数値の確認方法や分析項目の解説をしてもらえたり、適切な対策方法を提示してくれるケースもあります。
ⅱ~ⅳの場合…有害物質分析を依頼しよう

調査目的やその効果
有害物質分析は、有害物質が土壌に含まれていないか確認することを目的とした調査です。有害物質分析の場合、行政から義務として調査を要請されることもあります。
有害物質分析をおこなうことにより、土壌の安全性を確かめることができるほか、基準値を超える汚染が認められた場合、適切な対策を取ることで、環境と人体に安全な状態に変えることができます。
調査依頼の流れや分析方法
調査依頼の流れについては有害物質分析の場合も、肥料分析とほぼ同じような内容になります。
①申し込み・依頼…有害物質分析調査を依頼する会社が決まったら、WEBや電話などで申し込みをおこないます。
②現場調査・採取…移植ゴテや特殊な機械を利用して、土壌サンプルを採取容器に入れます。
③土壌測定…②で集めた土壌を測定します。肥料分析と同じく、測定にはおよそ2~3週間ほど時間がかかります。
④結果の提出…土壌の分析結果を報告書や証明書などの形式でまとめます。依頼した会社によっては分析結果を提出するだけではなく、数値の確認方法や分析項目の解説をしてもらえたり、適切な対策方法を案内してくれることも。
調査をした流れで浄化作業の依頼を受け付けてくれることもあります。
【重要】土壌汚染について

土壌汚染が起こる原因
環境や人体に悪影響を及ぼすほど重金属や有機溶剤、農薬、油などが土壌に含まれている状態のことを「土壌汚染」と言います。
土壌汚染が起こる要因として挙がるのは、有害物質を扱っている工場、排水施設からの漏えい、廃棄物の埋め立てによる浸透などです。アクリル樹脂や染料を扱う施設からはシアン、防腐剤や殺菌剤を扱う施設からは水銀が漏れ出すこともあり、生物の生命活動に害を与えます。
また、土壌汚染は漏えいや埋め立てなどの人為的なものだけではなく、自然発生的な汚染も数多く確認されています。
土壌汚染を防ぐための対策
汚染された土壌の改善・浄化をするための対策にも、いくつか種類があります。
・掘削除去…汚染された土壌を掘削し、除去したあとに新しい土壌を埋め戻すという方法。汚染されている土壌は専用の処理施設に送られ、処分されます。
費用は高額になりがちですが、土壌を丸ごと入れ替えるだけなので工期が短く済み、ほとんどの有害物質に有効な方法であるというメリットを持っています。
・不溶化…汚染土壌にキレート剤などの薬剤を混ぜ、重金属類を非常に溶けにくい固形に固めます(=不溶化)。固形化させることで有害物質の拡散を防ぐことができ、低コストで処理が可能です。
・バイオレメディエーション…微生物のはたらきを利用し、土壌に含まれた油を分解します。
特に代表的なのは「ランドファーミング」という手法です。汚染土壌を別の場所へ移動して敷き広げ、バイオ製剤や水、栄養剤を加えて酸素と一緒に撹拌することで微生物のはたらきを助けます。
・揚水工法…汚染された地下水を地上まで汲み上げ、水に溶け出した有害物質を浄化する方法。揚水工法を利用すれば、汚染物質を直接除去できるうえ、地下水汚染の拡大を防ぐことも可能です。
・土壌分級…粒子が細かい土ほど汚染の濃度が高くなる傾向にあります。そこで汚染土壌を、粒子の細かいものと粗いものとに分け、粒子の粗い安全な土壌は埋め戻し、足りない分の土は新たに補填するというやり方を土壌分級と言います。
取り除かれた汚染土壌は専用の施設で処理されるか、もしくは分級洗浄で無害化することもあります。
【土壌汚染対策基本法】
土壌汚染対策基本法(以下、土対法)とは、土壌の汚染状況の把握と土壌汚染による健康被害の防止することを目的に施行されたものです。土対法では、六価クロム化合物や水銀、鉛、ポリ塩化ビフェニル(PCB)といった27種類の物質を「特定有害物質」として定め、規制対象としています。
土壌から水に溶け出す特定有害物質の量の基準である「土壌溶出量基準」、土壌中の特定有害物質量の基準である「土壌含有量基準」、そして地下水の特定有害物質量の基準である「地下水基準」などの基準のほか、届出の提出方法や提出者など、土壌汚染対策に関する細かいルールが定められています。
調査の結果、土対法で定められた基準値を超える汚染が見つかると、要措置区域または形質変更時要届出区域に指定されます。行政の指示に従って適切な対応をしましょう。
また、万一必要な届出を期日までに提出しなかったり、必要な措置をおこなわないなど土対法に違反した場合は、懲役刑や罰金刑が科せられることがあります。自然由来の土壌汚染の場合も土対法の対象となるため注意が必要です。
地域の安全を守るためにも、きちんと土対法に従って対処をおこない、土壌汚染を起こさないようにしましょう。そのために事前に土壌分析をおこなうことが大切なのです。
<引用元>:https://www.env.go.jp/hourei/06/
ポン
- 土壌汚染が起こる要因は有害物質を扱っている工場、排水施設からの漏えい、廃棄物の埋め立てによる浸透など
- 汚染された土壌の改善や浄化をするための対策には掘削除去、不溶化など種類がある
- 土壌汚染対策基本法は土壌の汚染状況の把握と土壌汚染による健康被害の防止が目的
ⅴの場合は特殊なため注意が必要

調査命令が出るケース①
行政から調査をするよう通達があったとき調査をおこなう義務調査。調査命令が出た場合、調査機関が限定されます。
環境省の公式サイトにて指定調査機関※が掲載されているので、どこで調査を受けられるか確認し、必ず指定調査機関の中から選定するようにしましょう。
※指定調査機関…土対法に基づく土壌汚染調査や認定調査といった法定調査を実施できる唯一の機関。環境大臣より一定の技術・実力を認められた者が指定調査機関として認定を受けます。
法定調査をおこなう事業所ごとに1名以上の技術管理者が常勤雇用されていることや、技術管理者本人が3年以上の実務経験を有しているなど認定にはさまざまな条件があります。
調査命令が出るケース②
反対に届出が必要な土地でも、行政から調査を要請されないことがあります。要請がなくても調査をおこなう場合、当然自主調査の範囲になるため、調査機関が指定されることはありません。
調査機関の縛りがないぶん自分で選べる自由がありますが、適切な調査機関・会社を選ぶために念入りな打ち合わせ・ヒアリング作業が必要となります。
分析調査の依頼先に注意!
分析調査をおこなっている会社は数多く存在しますが、実は肥料分析が得意な会社と有害物質分析が得意な会社に大きく分かれています。
依頼したい調査内容と得意分野が異なると、引き受けてもらえない可能性もあるので、スムーズに調査をおこないたいなら会社選びは慎重に進めるべきです。分析の目的や用途に適している依頼先を見つけて選びましょう。
ポン
- 義務調査の場合は調査機関が限定される
- 自主調査の場合は適切な調査機関や会社を選ぶために念入りな打ち合わせが必要
- 肥料分析が得意な会社と有害物質分析が得意な会社に分かれている
まとめ
畑をつくりたいときや、何か建物を建てたいとき、土地を売買したいときなどに土壌分析が役立ちます。土壌の性質や安全性を知ることで、適正価格にて土地を売ることができたり、安心して農作物を生産することができるなどの付加価値がつくメリットがあります。
土壌分析には自主調査と義務調査の2種類があり、義務調査の対象となるかどうかは、調査についての必要書類を行政に提出して対応の指示を仰ぎます。届出が必要なときは期日を守り、余裕を持って準備しておくことが大切です。
また義務調査の場合、国から指定された調査機関に依頼するよう命じられることもあります。指定機関は環境省の公式サイトに掲載されているので、サイトをチェックしましょう。
反対に調査機関・会社を自由に選べるケースもあります。選定するときは調査の目的を明確にし、調査内容や目的に応じて正しい調査機関・会社に適切な分析を依頼しましょう。